ウォータールー大学に留学します:留学決意〜申し込みまでの記録

外国はおろか、国内ですら一人暮らしをしたことがなく、海外で、それも一人で暮らすことになるなんて想像もしていなかった僕を変えたのは、友達の何気ない一言だった。

「うっでぃは海外留学とかせえへんの?」

 

 

 

 

 

 

 

かっこいいこと書いてみたかっただけです。うっでぃです。

 

ツイッターとかではたまに言及してたのですが、来たる8月30日についに日本を発ち、カナダのウォータールー大学に8ヶ月間交換留学をしてきます。

冒頭に書いたポエムのような雑な経緯で海外留学を決意してから丸一年。なんとか留学の準備が終わってホッとしています。

というわけで、他の海外に留学したい他の(京都)大学生の助けになればと「ギフテッド」を観ながらこの記事を書いています。メアリー(主人公の女の子)と隣人のおばさんのペアが個人的にツボです。

 

去年の8月、突然海外留学を決意した僕は、とりあえずどんな国にいけるのか探すことにしました。

留学には種類があるのですが、せっかくなら長期でその大学に実際に所属できるタイプにしたいと思ったので、交換留学を選択しました。京大に授業料を支払えば海外の大学の授業料を肩代わりしてくれます。海外の大学は授業料が数百万円くらいするのでとてもお得ですね。

大学間学生交流協定一覧 — 京都大学

で、カナダ良さそうだなってなりました。カナダにした理由ははっきりしたものはなかったのですが、

  • ヨーロッパとアメリカとアジアの文化が混ざっていて(カナダは移民をたくさん受け入れていて、自分の大家さんも中国人です)面白そうだった
  • したがってアメリカ英語・イギリス英語・訛りのある英語を喋る人まで色々いるので英語の勉強になる
  • 兄がホームステイに行っていた時に絶賛していた
  • 治安がいい(日本ほどではないかも)
  • 物価が安そうだったから(そんなに安くないです)
  • 美味しいロブスターが食べれそう

とか色々です。後半ネタ切れしました。似た理由でオーストラリアも好きです。特に南部は適度に涼しいのでいいですよね。

 

こんな雑な理由で留学していいのだろうかと不安になった僕は、留学経験のあるサークルの先輩に聞いてみたのですが、「日本でしか暮らしたことないなら海外に留学するだけできっといい経験になる!」と全員から助言をいただいたので、開き直ってガンガン準備を進めることにしました。

 

さて、次は大学を決めないといけません。候補となったのはUWとトロント大学でした。

トロント大学の方は名前を聞いた方もいるかもしれません、世界にその名を轟かせる名門大学です。自分に関わりのあるところでは、ディープラーニングブームを引き起こしたHintonさんとかが所属しています。すごい大学ですね。交換留学生向けのTOEFL iBTスコア要求点は合計点100です。

University of Toronto

一方UWは、総合ランキングではあまり高くないものの、理工系、特にコンピュータサイエンスの研究・産学連携に非常に秀でた学校です。僕の勉強したいこととパーフェクトマッチしてます。いいですね。TOEFL要求点は合計点90、Speaking,Writing25です。

Home | University of Waterloo | University of Waterloo

これまた選ぶのに紆余曲折あったんですけど、結局第一希望はUW、第二希望をトロント大にしました。トロント大は有名なだけあって人気が高いらしいです。

 

 

……さっきからなんで要求TOEFLスコアなんか書いてるかというと、学内選考の段階でGPAだけでなくTOEFLスコアが必要になるからです

上に書いてある点数の8割ないとそもそも学内選考に参加させてもらえないというのですひどい!辛い!悲しい!

それに気づいた時それはもう焦りました。向こうの大学に提出する1月頃でいいと思ってましたから。

すぐさま一番近い日の試験に申し込んだものの、学内選考の期限をぶっちぎりながら提出することになりました。それ以降アドバイザの教授と教務の方に顔を覚えられています。

 

TOEFLの勉強はろくにしてないし別ジャンルなので省略します。過去問を解いてある程度形式に慣れとくことと、ライティングの試験をキーボードでやらないといけないのでタイピングの練習しとくかIELTS受けるかしたらいいんじゃないでしょうか(適当)

スピーキングが苦手?普段から英語を話す習慣がないからです。ESSで英語ディベート始めましょう

 

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以上が留学申し込みするまでのだいたいの記録ですね。正直一番の難関は提出期限でした。(それ以降も3回くらい期限に遅れかけた顔)

まあ落ちても次期に応募すればいいので大きな問題ではないのですが、これに限らず留学には早めの準備が不可欠。留学したい人はこれだけ覚えて帰ってください。

  • 申し込みを始めてから実際に留学するまでに最短で1年です。つまり、望むらくはそれまでにTOEFLとかの勉強もしといたほうがいいです(学内選考で有利なので)。もっとしっかり行きたい大学を熟考したい人は、1年半は前から計画するべきです。GPAも学内選考に必要なので、人気の大学に行きたい場合は日々の授業できちんといい成績をとりましょう。
  • TOEFLの試験の結果は出るまで2週間くらいかかります。試験日には注意しましょう。また高額なので、繰り返し受けるとお金がかさみます。
  • 留学生には返還不要の魅力的な奨学金がたくさんあります。が、案外早く選考が始まります。早めに申し込みましょう。併願禁止のものなどもありますが、いずれにせよ早めの情報収拾を。ちなみに、TOEFL・IELTSを行なっているETSも奨学金を出してるんですよ。自分が申し込んだところはフクシマグローバル奨学金https://www.fukushima-global.or.jpてところです。文科省が嫌いなのと併願禁止だったのでトビタテには応募しませんでした
  • 自分の大学のカリキュラムと相談し、留学期間を決めましょう。場合によっては留学先の単位を京大の単位として認定してもらうのが困難です。あなたの必修/専門授業が始まっている場合、留年を強いられることがあります(体験談)

などなど、危ない状況になっていてもなってもいちいち教えてはくれず、さらりとまずいことになっちゃうやさしくない世界です。繰り返しになりますが、早めの準備が不可欠。貪欲に情報を集めて、自ら行動を起こしていかないと死にます。

 

それではまた。次はカナダからの更新になるかもしれません。

最後になりましたが、こんな生意気な僕をいかなる時も支えてくれた家族と友人に心からの感謝を。ありがとう。

猫カフェとパレート均衡の夢

昨日、友達と初めて猫カフェに行きました。

猫たちが戯れたり、寝たりしている様子を眺めながら、ドリンクバー飲み放題で1時間1200円。個人的には得られる精神的幸福の大きさを考えたら安いものだと思います。

しかし、やっぱり猫たちを目の前にしたら、猫たちにかまってほしくなるものです。特に、膝の上に猫が乗ってきた時のあのなんとも言えない体重がたまりません。そのため、我々客たちは猫じゃらしなでなで攻撃を使って猫にご奉仕し、彼らの気を惹こうと必死になります。

自分は猫様へのご奉仕があまり上手ではないらしく、猫を撫で始めてもすぐに逃げられてしまいます。内心悔しがりながらその猫を目で追うと、その先には一人のおばさんの姿が。

その姿を見て僕は愕然としました。

彼女はなんと3匹もの猫を同時に侍らせていたのです。おばさんは猫じゃらしを上手に扱い猫の本能を引き出すだけでなく、持ち手の部分をソファーに擦り付け、ザリザリという特徴的な音を鳴らすことで、猫の気をうまく引きつけていたのです。

おばさんは幸せそうでした。その陰で僕はほぞを噛んでいました

 

 

さて、ここで気がついたのですが、猫たちの数は一定です。なので、猫をだれかがたくさん集めて幸せになっているとき、ほかのお客さんは猫を奪われて不幸せになっているのです。おばさん許すまじ。

この様子はFX取引に類似しています。いくらうまくFX取引をしたとしても、世界にあるお金(価値)の総量は増えていないので、彼らは儲けているように見えて実際にはお互いに食い合っているに過ぎません。この状況は、経済学の世界ではよくゼロサム(皆の利益の総和は常にゼロである)と呼ばれます。

なんということでしょう。そう、猫カフェはのんびり猫と戯れる場所などではなかったのです。あれは本質的には数多の破産者を生み出したFXと変わりません。そこでは水面下で訪問者同士による熾烈なリソースの喰らい合いゼロサム・ゲームが繰り広げられていたのです。

 

我々としては少しでも多くの猫を集め幸福度を最大化したいところです。店側もそんな客の気持ちをわかっているのでしょう、追加料金で猫にあげる餌を買える仕組みになっていました。

小さいエサ袋が100円。猫用のアイスor大きいエサの袋が500円。いいお値段しますが、その分効果は抜群で、だれかがエサ袋を開けたことを猫たちは目ざとく察知してそちらの方へと行ってしまいます。

 

そして、このエサこそが曲者なのです。察しのいい読者の方は気づかれたかもしれませんが、このエサにより猫カフェマイナスサムへと転じます。お客さんがエサを購入した分だけ追加料金を支払わされ、損失が生まれているからです。

ここで注意して欲しいのは、餌をお客さんが買うと、猫たちを集めることができますが、やっぱり猫の総数は変わらないという点です。そう、これも結局のところは猫の奪い合いにすぎません。そこに課金が生まれただけです。

状況を整理しましょう。結局のところ、全員の利益の合計値を最大化するには誰も餌を買うべきではないのです。餌を買うと、自分は幸せになることができますが、それは周りの人の幸せの犠牲の上に成り立っており、かつ餌の値段分だけ自分も損しているからです。極端な例として、皆が皆餌を買ったとすると、猫は平等に分配され、結局餌の金額だけ我々は損することになります。この状況を表す言葉はすでに存在し、囚人のジレンマと呼ばれます。他の人を裏切ることによって自分だけ多大な利益を得られるという状況を指します。

この時、「誰も餌を買わないことで利益の合計値が最大化された状況」をパレート均衡、「みんなが餌を買うことで利益が小さくなってしまった状況」をナッシュ均衡と呼びます。(ちなみにこの状況は社会で非常によく起こるので、いかに人々をパレート効率的に行動させるかは政策を作るときの目標の一つです)

 

 

そのことに気づいた聡明な僕は、餌を買わないという英断をしました。

皆もいつかこのことに気がついてくれることを願って。

我々は理性の力でパレート均衡にたどり着けるはずだということを夢見て。

 

しかし。

 

 

 

僕は大きな勘違いをしていたのです。それも2つも。

 

1つ目は、囚人のジレンマの正解です。Wikipediaにあるように、有限回で終了する囚人のジレンマは、合理的に考えると裏切るのが正解なのです。

こう考えます:我々はいつか猫カフェを必ず去りますが、去る直前には餌を買う方がいいでしょう。たとえそれで周りの人の恨みを買ったとしても、もう帰るので気にすることはありません。さて、ではそのもう少し前の段階でも、餌を買う方がいいことになります。どうせ最後は餌を買うことが決定しているので、裏切りを少し早く始めても同じことです。……この論法を繰り返すと、結局最初から餌を買いまくるのが正解だったということになります。

 

 

2つ目は、もっと重大なのですが、猫を喜ばせることで追加的に得られる利益を考えていなかったことです。餌を買う人は単に自分が猫を集めて幸せになりたいから買っているのではありません。猫たちが美味しそうに餌を食べ、幸せそうにしている様子を見ること、それもまた彼らを幸せにしていたのです。そう、彼らは猫の幸せを自分の利益の勘定に入れることにより、大きな喜びを得ていたのです。すなわち、元から猫カフェ囚人のジレンマなどではなく、プラスサムゲームだったのです。猫の幸せのことを全く考えていなかった冷酷な自分を僕は深く恥じました。

 

余談

 

猫からすれば、我々が結託して餌を買わないという状況になったらたまったものではありません。彼らにとって、客のくれる餌は大切なおやつなのです。つまり、我々が結託できない状況下で自分の利益(ねこあつめ)を追求しなければならないというこの状況は、猫にとっては嬉しい状況です。

もしこれがおやつなどではなく、生活必需品だったらどうなるでしょう。客が結託して自らの利益を守りにかかった時、猫たちの生活は瞬時に脅かされてしまいます。これは、独占禁止法などにあるカルテルの禁止に類似していると言えます。健全な競争を企業間に促すことで、利益ばかりを追求するのではなく価格・品質などの向上を促すことができるのです。

初投稿

みなさんこんにちは、京都大学工学部新二回生のWoodyです。

普段は英語の競技ディベートとか、深層学習を用いた画像解析をやったりしてます。

昨日、同じ京大生のコミさん(@komi3)の主催した飲み会に参加したのですが、これがめちゃくちゃ楽しくてですね。 学校を休学して世界一周してきた人とか、KULASISのめっちゃ便利そうなChrome拡張作ってた人とかとベラベラ話しまくって、もーそれはそれは刺激的な飲み会でした。

いやーああいう風な知り合いがいる人は羨ましいですね。 自分の周りにもきっといるだろうから、もっと周りの人と仲良くしようと思いました。 アクティブさが足んないんだよな。

あ、で、なんでこのブログを始めたかという話をしますと、実はこのアカウントは少し前に開設してたんですよね。大学のサークルの友達で浪人生の頃からブログ書いてる人に憧れて(名前は聞いたこともある人も多いであろう、ふんどし同好会会長です)。でも彼と違って文章上手くないし、とりたてて書くこともないし、と放置していました。 んで、昨日コミさんと話した時に、「備忘録としてもいい」「発信をすることはエンジニアとして大事」というご意見を賜りまして、「じゃあ誰も呼んでくれなくてもいいって気持ちで始めてみよう」となった次第です。

まあ最近アクティブさは大切だとひしひしと感じてきたので、思い立ったが吉日、すぐに書き始めたわけです、はい。

これから書いていく内容としては、自分の普段やってることを鑑みるに

・データ解析の進捗、使いやすい開発環境とかのインストレーション指南

・学校での出来事

・今年の夏から行く予定のカナダ留学に向けた記事

とかになりそうですね。それ以外にも多分雑記が多くなると思いますが。もしリクエストあったらなんか書くかもです。 まあ進捗を生むのは大切なので、そのために「だれかに見られてるかも」という感覚は必要だと思うし、まずは書き続けることを目標にして頑張ります〜