モントリオール紀行
あらまし
カナダに行ってからまた記事を書くよと言ってから一ヶ月何をしていたのやら。ウッディです。
いや記事書いても良かったんですけど、こっちの生活が日本とそんなに変わらなかったんですよね。
確かに人種・性別・年齢の多様性はこっちのが高いですけど、もともと自分そういうの気にしない人なので……
知り合いも授業終わりにちょっと話す人とかはできたんですけどまあそれくらいです。
学校までバス通いなので、図書館&学校と家を往復してたら特にイベントもなく1ヶ月経っちゃいました。
英語ディベート部のメルアドに参加したいってメール出したんですけど返事こないし……
そうこうしながら過ごしていると、オリエンテーションの時に知り合った中国人の人(ドンくんといいます)に「今度の秋休みでモントリオール行かない?」と言われました。
まず浮かんだ疑問が「秋休みって何?」だったことからぼっち具合が伺い知れます(感謝祭の日(Thanksgiving)を中心とする5日間の休みのことです)。
せっかくの休みだし、もう行く機会もないかもしれないということで行ってきましたよモントリオール。
宿の話
ホテルを取っても良かったんですけど、ツイッターで知り合ったマーシャさんって人がマギル大に留学していたので、ダメ元で彼の家に突撃してみることにしました。ほら、息の詰まるせっまいホテルで一人っきりよりそっちの方が楽しそうじゃないですか?
ありがたいことに快諾してくれたので、泊まらせてもらうことにしました。
どうしてOKしてくれたのかというと、彼はESSのりんちゃんと知り合いだったんですね。それでりんちゃんに自分の評判を聞いて「見知らぬ人のところにいきなり泊まりに行くとかやばいけど危険なやつではなさそう」ということになって、ならまあ泊めてもいいかということになったようです。日頃の行いは大事ですね。
せっかく泊まっているので、マーシャさんとはたくさんお話ししました。
ウォータールーとマギル大の違い(マギルは学校がダウンタウンにあるので、地価が高めです)とか、
京大に帰ってからの学習計画(マーシャさんは留年しないそうです、理学部はいいなあ!)とか、
社会の問題に関して(独裁者になりたいねという結論を得ました)とか、
本当にいろいろお話ししました。楽しかったです。
マーシャさん、ありがとう。きみがウォータールーに泊まることはないと思うので、また京都に帰ってから何かお礼をさせてください。
街の話
結論から話すと、モントリオールはフランス語圏です。道ゆく人の会話はほぼ全てフランス語です。ただ、英語圏の影響も強い地域なので、看板は全て二か国語併記だし、ショップの店員さんは全員英語も話せます(フランス語と英語が似た言語とはいえこれってすごいことですよね)。
マーシャさん曰く、モントリオールはフランス語圏だという理由でマギルを敬遠する人が多いらしいのですが、以上のような理由により英語だけで日常生活が完璧に可能である上、マギルは(大学ランキング的には)カナダトップなので、留学先として穴場だそうですよ!
あと、ウォータールーに行きたい人はほぼ工学部生なので、留学するとほぼ留年が確定します。従ってみんな留年を敬遠するのでウォータールーも穴場になってますよ!(なってない)
街並みはとっても綺麗です。近代的なビルと、おフランスな感じの建物が調和しています。モダンとトラディショナルのインテグレーションという意味では京都に似たものを感じます。「世界一美しい街」との呼び声も頷けますね。
物価は高めだという印象を受けました。外食すると最低でも10CADくらいのものがメニューに並んでいて、それに消費税・地方税・チップ合わせて50パーセント近くが加算されちゃいます。その分とても美味しいし、旅行するにはいい街って感じですね。住む分にはウォータールーがいいです、びんぼーしょーなので。。
思い出深い瞬間(わかりづらいネタを入れるのはやめろ)
というわけでここからはスポットに絞ってMemorableだった場所の話をしようと思います。
モントリオール美術館
モントリオールといえば芸術の街。そこにある美術館だからさぞすごいんだろうと思って行ったら想像以上でしたよこれが。
まあ美しさが何かは人の好みによるのでなんとも言えないんですが、僕は「自分にはこれは作ることができなさそうだ」というものを美しく感じる傾向があります。手に入らないものを好きになっちゃうのは人類共通だから仕方ないね。
青いハートに、様々な道具、たまにおもちゃです。しかも、それぞれの道具の縮尺が一定ではないんです。自分的にはこれは「作者の心の中で占める比重」に対応してるんじゃないかと思いました。
やばくないですか……この「乱雑な世界観を一つ一つ精巧に作り込んだ」かのような情報量過多の絵、僕がひっくり返って一生を費やしても書ける気がしません。尊みが深すぎて召されそうです。
まあという感じで俺得な作品がたくさんあったよというお話でした。
モン・ロワイヤル山 (Mount Royal)
皆さんは、モントリオール(Montreal)の語源をご存知ですか。実はモン・ロワイヤルから来ているんですよ!
最初にモントリオールに来たあるフランス人が、先住民に導かれて山に登った時に、その風景の素晴らしさに感動してMount Royalと名付けたことが発祥だそうです。頂上の石碑に書いてありました。
それから500年経った今も、その景色の美しさは変わりません。いや、開発で景観自体はめっちゃ変わってるんですけどね。
景色は綺麗だったんですけど、先住民が踏みにじられた結果だということを考えると複雑な気持ちになりますね。昔のこととはいえ、現代の人権意識から考えると相当非道い事やってますし。
などと偉そうなこと言ってますが、こういういうことを考え出したのも友達のツイートがきっかけですし
キリスト教の家庭のthanks givingにお呼ばれされて、正直歴史的背景を考えたら参加したくないなーと思いながらお邪魔したら、お祈りの前に虐殺されたり侵略された先住民について子供達に教えていて、尊敬したし、来て良かったと思った。
— Maria (@AikoMariaIkeda1) October 7, 2018
もっと教養を深めないといかんなという気持ちになりました。せっかく地球半周して勉強しに来てるんだし。
ノートルダム大聖堂
さっき複雑な気持ちになるとか言っときながらクッソエンジョイしとるやんけ、という反論は見なかったことにします。
最初に行った時は感謝祭の日で、14:30以降は閉まってしまっていたので次の日に再チャレンジしました。
僕自身はキリスト教に思い入れがないので「ふーん、綺麗だなー」としか思わなかったのですが、日本を発つ直前に「カラマーゾフの兄弟」をマンガで読んだんですよね。
相当話がカットされているにも関わらず、なお示唆に富んだ話ですごく良い本で、漫画でかなりスルスルと読めるのでとてもおすすめなのです。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07DN92NYC/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1
カラマーゾフの兄弟はテーマの解釈が人によって分かれるくらい奥の深い作品なんですけど、僕の気に入ったテーマの一つで「たとえどんなに壮麗な教会を作ったとしても、盛大な儀式を行ったとしても、世の中から悪は消えない、ということに気がついてしまった(=神をもはや信じられなくなり、他の人に「嘘」をついて生きなくてはならなくなった)人の信仰は、生き方は、神との関係は、どのようにあるべきか」というのがあるんですね。劇中劇「大審問官」で顕著に現れています。
まあそれを読んだというのもあって、こういう大きな宗教的建築物を見ちゃうとどうしてもしんみりします。
理系が文系科目を大学でやらされる最も大切な理由の一つは、我々が文化、肉体、言語、あらゆるものに「縛られている」ことを自覚させること、
— うっでぃ (@woodyOutOfABase) March 2, 2018
そして、それらに対してサイエンスや論理的思考は万能だけどけして全能ではないことを悟ることなのかもしれない。
終わりに
多分合計ウン万円使っちゃった今回の旅行ですが、その分とってもエンジョイしました。名物料理のプーチン(ポテトと肉にチーズをぶっかけたカロリーの火薬庫みたいな料理)も食べて満足です〜〜
小分けにして記事にすればいいのですが、どうも塊で記事を書いちゃう癖があるようです。3500字もの記事をここまで読んでくださった読者さんに感謝を。
P.S. 本格的に冬になる前にナイアガラの滝にも行ってみたいですね!